テノール歌手、アンドレア・ボチェッリのチョン・ミュンフン指揮、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団他との共演による1998、99年録音盤。J.S.バッハ「アヴェ・マリア」、モーツァルト「アヴェ・ヴェルム・コルプス」他、全17曲を収録。 (C)RS

『沈黙の音楽』の出版と呼応して、彼を導いてきた神聖な曲、アリアを中心に歌った本アルバムをリリースした。
高音を甘く長く歌いカデンツァをメロディーに優しくそえる、世界的に有名になった彼独特のヴォーカルで、すべての曲が彩られている。ボチェッリをオペラ歌手かポップス歌手かにはっきりと分けようとするのは間違いだ。実際、彼の目指すところはひとつなのだから。歌声に変化が少なくコントロールがきいていないところは欠点と言えば欠点だが、ボチェッリの声に感情を揺さぶられない人はまずいないだろう。
収録されているアリアは、祈祷用の有名な曲ばかり。シューベルトの「アヴェ・マリア」、モーツァルトの名曲「アヴェ・ヴェルム・コルプス」、英語で挑んだ「きよしこの夜」のアレンジなどだ。中には、ワーグナーのヴェーゼンドンクの5つの詩(「天使」はあふれるほどのエロチックな魅力がある)や、ヘンデルが樹木に寄せて作った「オンブラ・マイ・フ」などのように、このアルバムのテーマからするといささか妙な選曲もあるが、ボチェッリは誠実にまっすぐに歌い上げている。これでまた、何百万という彼の崇拝者の数がさらに増えることは間違いないだろう。(Thomas May, Amazon.com)

 ・ amazon : Sacred Arias (1999)

 ・ レコチョク Best : Andrea Bocelli 08. Sacred Arias (1999)

 ・ Spotify : Andrea Bocelli 08. Sacred Arias (1999)

ディスク:1
1. アヴェ・マリア
2. 聖なるマリアよ
3. アヴェ・マリア
4. アヴェ・マリア
5. 天使のパン
6. 悲しみに沈むその魂を(「スターバト・マーテル」より)
7. われ、あやまちたれば嘆き(「レクイエム」より)
8. アヴェ・ヴェルム・コルプス
9. 天使(「ヴェゼンドンクの5つの歌」より)
10. オンブラ・マイ・フ(歌劇「セルセ」より)
11. お慈悲を、主よ
12. 主なる神(「小ミサ・ソレムニス」より)
13. 千人の天使の合唱(シューベルトの子守歌)
14. きよしこの夜
15. 神の御子は今宵しも(来たれ、信ずる友らよ)
16. 御身に栄光あれ、イエス・キリスト(ミレニアムを祝う讃歌)
17. きよしこの夜-イタリア語ヴァージョン(ボーナス・トラック)